■開発ノート
PCTを歩いている際に、多くのハイカーがアイスクリームやピーナッツバターの空き容器を食器にしていました。使ってみると意外と使いやすい。


しかし、アイスクリームの容器は高温に耐えられないため、コールドミュースタイルでしか食べられませんでした。
ホット、コールド、万能に使える容器が欲しい。
そんな中で、科学的に安定しており、アルコールなどにも耐えられるポリエチレン樹脂を使用した容器を何個もテストをしこの容器に辿り着きました。

１１０缶は外に出して汚れてもいいが、容器は汚れて欲しくない。だからOD缶の直径と同じサイズに作られたクッカーに入るように直径サイズを検討しました。

■ラベル
ラベルのデザインは日本酒のラベルをイメージしたラベルとしました。
背景にはヨセミテ渓谷が見えるかと思います。

宮源酒店の「宮源」と書かれた文字は二代目の宮崎晏一が書いてくれました。
約90年前、宮源酒店を開業してすぐに源重郎の妻が急死し、晏一は小学生の頃（戦時中）から宮源酒店を手伝っており、学校が終わったらリアカーで酒を配達していたそうです。
さらに酒屋は熨斗紙を書いてお客様へ納品することがよくあります。そんな熨斗紙は晏一が半世紀以上も書き続けていました。

しかし、私がPCTへ行く前に、二代目の体調が崩れて筆を握ること自体も難しくなってきて文字の雰囲気も年々変化していきました。
お酒の売り上げが激減し、熨斗紙の出番も減ってまいりましたが、このように二代目の文字がこれからも残り続けるように。筆が握れるうちに。
そんな想いでこのラベルをデザインしました。

アウトドア用品として異端なデザインですが、酒屋がルーツのMIYAGENらしいスタイルを楽しんでいただけると嬉しいです。

■デザイン
この容器は、本体、蓋、ソフトパッキンで構成されたシンプルな容器です。
直径は110サイズのOD缶と同じ直径なのであらゆるクッカーに収納が可能です。
食洗機にも対応しており、清潔に使うことが可能です。
パッキン付きの蓋で、ゴミの侵入や気過熱を防ぐことができます。

高温高湿に耐えられる耐久性が高いラベルとなります。
さらに蓋と容器の直径が同じなのもスタッキングがしやすい重要なデザインです。
キャニスターは汚したくないから中へ、OD缶は汚れていいから外へ

■使い方
・お湯で食材を戻す容器として
・コールドソーク（コールドミュール）として
・行動食、食材の保存として
・蓋のできるコップとして

■コールドソーク（コールドミュール）
現地でもいろんな呼び方がありました、
コールドソーキング（Cold-soaking, Cold-soak）
コールドミュール（Cold-Meals）

これは、乾燥した食べ物を冷たい水につけて、熱を使わずにおいしい食事にする方法です。
ハイキングでは、重い荷物を少しでも軽くしたいので、この方法をよく使います。

コールドソークのメリット:
荷物が軽くなる - ストーブや燃料を持って行かなくてもいい。
準備が簡単 - ただ水を加えて待つだけ。
安全 - 火を使わないので、火事の心配が少なく、クマなどの野生動物が食べ物のにおいに引き寄せられることも少なくなります。

コールドソークのデメリット:
冷たい食べ物しか食べられないので、暖かい食事が恋しくなる。まずい。
すべての食べ物が冷たい水でおいしくなるわけではない。
腐る可能性がある。

腐る可能性が一番怖いですが、楽で軽量化できるのが最大のメリットです。
チャレンジしつつ、自己責任でやってみましょう。

■ハイカーフードのレシピ
・ラーメンボム
準備
・袋ラーメン
・インスタントマッシュポテト
（もしくは、じゃがりこ）

1,袋ラーメンを砕いて容器に入れる
2,インスタントマッシュポテト、（砕いたじゃがりこ）を入れる
3,お湯を入れて混ぜて3分（水の場合は1-2時間）
4,完成
お好みでカレー粉や胡椒などを入れると美味しいです。

・カレー
準備
・アルファ米
・カレールー
（もしくは、カレー粉）
1,アルファ米とルーとお湯を入れて２０分ぐらい
2,完成

■使用上の注意
蓋の直径が大きいため持ち運ぶ際にパッキンの許容値を超えた歪みが発生する可能性があります。
液体を入れる際は十分に注意してください。特に油は漏れる可能性があります。
パッキンの裏面に食材や液体が回り込みます。
カビの原因となるので必ずパッキンを剥がして洗ってください。
パッキンも食洗機可能です。